位牌分けとは?お位牌を複数つくる、こんな事情。
一人のお位牌を複数。位牌分けとは。
位牌分けとは、本家と分家の事情、そして地域の慣習からうまれました。「位牌分け」とは、「ある一人の方のお位牌を複数つくる」ことを言います。供養をされる方がそれぞれ、その方のお位牌をつくる供養のカタチをこう呼んでいるそうです。
通常は長男にあたる「本家」にご両親のお仏壇があり、そこでお位牌をまつるというケースが多いようです。それ以外の分家にあたる兄弟にとっては、手元にはお位牌も仏壇もないことになります。
こうしたお位牌の習わしは、主に中部・関東の一部エリアに多いと言われています。その一部には雪深い山梨・長野なども含まれているようです。これは想像ですが・・・冬の季節の厳しい寒さ。親族の家まで気軽に足を運べないような厳しい環境のなかで、なんとか供養できないか。そんな思いから自然に生まれてきた解決方法だったのかもしれません。地域文化もそうですが、歴史や風土のさまざまな理由からこうした供養の工夫が考えられ、現在でも続いていることが伺えます。
現代のお位牌
そして現在では、そうした習わしとは別に「お位牌を複数」つくられる方がだんだん増えているようです。理由はシンプルで、「兄弟がみんな離れて住んでいて、実家が遠いから」だそうです。家族と仕事・多忙なスケジュールの都合で、お墓参りなどもお盆と正月になんとか・・・という方も多いのではないでしょうか。
「さみしいから位牌だけでも、もたせてよ」
「お母さんはこの色で、おそろいにしようか」
「いいね、そうしよう」
交通機関の発達により、遠くへもあっと言う間に行けるようになりました。
そのせいか、逆に実家から遠くはなれて暮らす人も増えています。
人と人、想う気持ちをつなぐお位牌の役目は
今も昔も変わらないようです。
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