戒名をつけないお位牌?そのままの名前でつくる、お名前位牌
お名前(俗名)でつくるお位牌
最近では戒名ではなく、そのままの「お名前」をつかう俗名位牌・お名前位牌を作られる方も増えてきています。
グローバルな価値観になる中で、普段は特にお寺さんなどの繋がりがない、または無宗教とされる方も増えています。お葬式は形式的に仏式で行ったけれど、その後の法要などは特に行わないというケースも少なくないようです。
そうしたケースでお位牌をつくる場合には、戒名を使わずに故人のそのままのお名前を使ってお位牌をつくります。
普段目にするものだから、いつもの身近な名前で…
「お葬式の際に葬儀社さんが手配してくれた知らないお坊さんから戒名をもらったけれど、ふだんは無宗教なので突然戒名をもらっても、ぜんぜん馴染みがなくて・・・」という声もあり、今後お坊さんを呼んで法要などを特にしない場合には、家族で親しみやすいという理由からお名前でお位牌を作る方もおられます。
赤ちゃんやお子さんの場合などでは、「戒名を見るのが辛い」「せめて名前で呼んであげたい」というお父さんお母さんの気持ちから、お寺さんに十分相談した上であえて俗名のままお位牌にするケースもあります。
また大切な人だからこそ、「何十年も共に過ごした馴染みのある名前で呼んで、最後まで手を合わせたいんです。」という声もあるようです。
お寺さんとお付き合いがある場合には、もちろん頂いた戒名をお位牌に刻みます。その一方で、こうしたお名前位牌も年々増えてきており、供養と祈りについても多様な価値観が認められたオープンな時代になってきていると感じます。
手を合わせる場所として、お位牌の役目
無宗教でもお位牌をつくる方が増えていますが、「手を合わせる対象として何もないのは淋しい」といった気持ちからお位牌を持つ方がほとんどです。
お位牌というと仏教のイメージがあります。
ところがその始まりは儒教にあるといい、日本固有の文化・仏教との融合から現在の姿になったとも言われています。そして今では宗教の枠を超えて、供養の共通イメージとしてお位牌やお仏壇が日常の文化の一部として定着しています。
手を合わせたり想いを馳せる場所として、お位牌はそうしたひとつのシンボルともなっています。大切な方を思い出し、手を合わせたくなるような、供養のためのシンボル。
その意味で、すべての人にとってお位牌が必須という訳でもありません。ある人にとってはそれが1枚の写真であったり、お墓であったり、故人が愛用していた形見の品であったり、きっと人それぞれです。
入る文字が「戒名」でも「名前」でも、お位牌の役目は同じだといえます。
現代ならではのライフスタイル・死生観の多様化、「供養の表現」の変化はお位牌の文字にも表れているようです。
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