お墓をもたない自然葬、海洋散骨とは
海洋散骨とは
海洋散骨はお墓を用いずに遺骨を供養する「自然葬」と呼ばれるジャンルに含まれます。近年ではテレビや雑誌などいろいろなメディアでも紹介されるようになり、耳にする機会も増えたと思います。
海洋散骨は文字通り海で行う散骨方法です。ご遺骨を細かく粉末・パウダー状にして、海の中に還します。実際には手のひらに乗るくらいの小さなサイズの袋に分けて、船の上からそっと海面に投じます。水溶性の袋からパウダー状のお骨が海の中にとけてゆき、やがて見えなくなります。
美しい自然に還る、シンプルで明るいイメージをもった葬送
故人の散骨に際して、見守る方々が献花としてきれいな生花を一緒に添えることもあります。花々と一緒に青い海にただよう、葬送を明るいイメージで捉えた人生のエンディングとも言えます。海洋散骨を希望する方の中には「暗いお墓の中よりも海を渡って世界中を旅できるかもしれない~」というロマンある意見も実際に聞かれます。
古来から海は生命の源と言われてきました。日本で散骨が一般的になる以前から、葬送を海で行う習慣を伝統的にもつ国や地域もあるそうです。まさに自然の中に帰るという表現がぴったりな自然葬だといえます。
散骨のルールと方法。海に遺骨をまいてもいいの?
海に遺骨を流すのは法律的に大丈夫ですか?という疑問も多いようです。散骨は比較的新しい葬送のひとつです。そのため散骨を想定した法律はないため、実質的には節度をもって行うのであれば違法ではない、という見解が一般的に認知されています。
しかしながら、お墓以外の場所へとむやみにお骨を埋葬するのは法律で禁止されていますので、「散骨」として「節度をもって」行われる必要があります。具体的には粉骨と呼ばれる遺骨のパウダー化を適切に行うことや、散骨する海域・場所などに配慮することが条件に挙げられます。
もし仮に、散骨だからといって近くの海水浴場などにお骨を持っていったらどうでしょうか・・・考えるまでもなく様々な問題が起こりそうです。こうした事態を避けるため、周りの地域や漁場・船の通行など様々な条件に配慮したエリアで散骨する必要があります。ですので、ほとんどの場合は陸地からある一定の距離を保った沖合にて散骨が行われます。
一方で、条例により方法を問わず散骨自体が禁止されているエリアもあります。
こうした繊細な理由もあり、実際に散骨を希望する際には専門の知識をもった散骨会社に依頼して行う方がほとんどです。
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