戒名がない方の為の、俗名でつくる「お名前位牌」
近年、増え続けている「お名前位牌」その人らしい位牌を選ぶ。という選択。
戒名がない場合、お名前の下に「●●之霊位」と入れることがあります。これは之霊位を入れることで戒名と同じ意味を持たせると言われています。近年では、戒名を授からないご家庭が増えているのもあり、お名前位牌については、皆、それぞれ希望の内容で依頼されることが増えてきました。
お名前位牌が増えている理由として、お寺との関わりを持たない(散骨や樹木葬、直葬など新しい葬送の形が広まっている為)ご家庭が都心部を中心に増加しているのが理由だと推測されます。
無宗教でもお位牌をつくる方が増えていますが、「手を合わせる対象として何もないのは淋しい」といった気持ちからお位牌を持つ方が多くいらっしゃいます。
お位牌というと仏教のイメージがあります。
ところがその始まりは儒教にあるといい、日本固有の文化・仏教との融合から現在の姿になったとも言われています。そして今では宗教の枠を超えて、供養の共通イメージとしてお位牌やお仏壇が日常の文化の一部として定着しています。
手を合わせたり想いを馳せる場所として、お位牌はそうしたひとつのシンボルともなっています。大切な方を思い出し、手を合わせたくなるような、供養のためのシンボル。
その意味で、すべての人にとってお位牌が必須という訳でもありません。ある人にとってはそれが1枚の写真であったり、お墓であったり、故人が愛用していた形見の品であったり、きっと人それぞれです。
入る文字が「戒名」でも「名前」でも、お位牌の役目は同じだといえます。
現代ならではのライフスタイル・死生観の多様化、「供養の表現」の変化はお位牌の文字にも表れているようです。
故人のイメージに合った位牌を選ぶ。リンゴが好きだった母だからリンゴの木でつくられた位牌を。やさしくて色が白かった母だから、「白っぽい木でつくられたやさしい位牌」を。など、気持ちが入ることで、とても大切なものになっていきます。カタチよりキモチ。などという言葉がありますが、まさに位牌にもそのような意味合いが求められる時代になりました。
最後に。戒名はいらないという選択をする方が増えている現代。死後の名前として戒名を授かることは必ずしも必要ではなく、自分たちの考えや想いで、さまざまな選択ができる時代が来ているのかもしれません。
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