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2025年新作第一弾として「やさしい厨子」を発表

「撫でて、和む。

「やさしい厨子」は、その丸みを帯びた上部無垢材のフォルムから、まるで優しい手のひらで包まれているかのようなぬくもりを感じさせます。素材には厳選した無垢のメープルを使用し、熟練の日本の職人が一つひとつ丁寧に削り出すことで、つるつるとした極上の木肌が生まれました。


自然の温もりと、人の手の温かさが宿るこの厨子は、指先でその円みを撫でる度、心が落ち着き、穏やかに澄んでゆく感覚を味わえます。大切なものを収める場所として、あるいは空間を和ませる一品として、「やさしい厨子」は日々の暮らしに静かな優しさをもたらします。

時代を映す「(ずし)」の変遷 ─ 祈りと美を支えてきた小さな空間

みなさんは「厨子(ずし)」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。仏像を安置する小さな宮殿のような箱型の仏具で、寺院や個人宅の仏壇に置かれたり、文化財として美術館に展示されたりすることもあります。厨子の歴史やその機能、芸術性の面から、日本文化における厨子の魅力をひも解いていきたいと思います。

1.厨子(ずし)とは?

「厨」は神聖な物を保管する空間を示すと同時に、日本では仏像や経典などを納める収納具として「厨子(ずし)」の表記が定着しました。名称の由来には諸説ありますが、その根底には大切なものを納める“聖域”という概念があります。

2.厨子の歴史

2-1. 飛鳥・奈良時代

飛鳥・奈良時代(6〜8世紀頃)に仏教が日本へ伝来した際、寺院の仏像を納めるための小さな宮殿型の入れ物として、原型のようなものが生まれました。初期のものは中国大陸や朝鮮半島の影響を大きく受けており、簡素な構造のものが多かったと考えられています。

2-2. 平安時代

平安時代(8〜12世紀)になると、貴族たちの間で個人の信仰をより大切にする風潮が高まり、自宅に仏像や経典を安置するための厨子が広まりました。貴族文化が花開く時代でもあり、**蒔絵や螺鈿(らでん)**など、豪華絢爛な装飾が施された厨子が多く制作されるようになります。

2-3. 鎌倉時代

鎌倉時代(12〜14世紀)は武士階級が台頭し、質実剛健な美意識が主流になっていきます。そのため、厨子の装飾もやや控えめになり、むしろ仏像そのものの力強さを際立たせるようなデザインが好まれました。
また、寺院に限らず、武家屋敷や庶民の間でも仏壇や厨子を設ける習慣が浸透していき、より幅広い層に厨子が用いられるようになります。

2-4. 室町時代〜江戸時代

室町時代から江戸時代にかけては、茶の湯や芸術文化が発展していき、建築や工芸の技術もさらに洗練されます。蒔絵や漆塗り、金箔押しなどの装飾技術が磨かれ、芸術作品としても価値の高い厨子が多数生み出されました。
江戸時代になると、庶民の生活も安定し、一般の家庭でも小型の厨子を取り入れ、家内で日々の礼拝を行う風習が定着していきました。

2-5. 近代以降

明治以降、西洋文化の影響や生活様式の変化から、大型の仏壇文化が主流になる一方で、厨子の需要は少しずつ減っていきます。それでも、仏像や重要文化財を納めるための伝統的な厨子は全国の寺院や博物館に数多く残され、美術工芸品として高く評価されています。現代でも、伝統を継承する職人によってオーダーメイドで制作されることがあり、小型・モダンデザインを取り入れた新しいスタイルの厨子も登場しています。

実は仏壇よりも遥かに歴史が古い「厨子」

「仏壇」の普及は江戸時代になってから

家庭での仏壇信仰が本格的に普及するのは、江戸時代に入ってからとする説が有力です。

江戸幕府の宗教政策(寺請制度など)によって、庶民もどこかの寺院の檀家になることが義務化され、あわせて先祖供養や寺院との結びつきが強まった背景があります。

この頃から、家屋内に仏壇を設置し、日常的に先祖を供養する習慣が急速に広まりました。仏壇という存在は比較的新しい、江戸時代くらいから広まっていったものなのです。

「手と木」コミュニケーションする、厨子。

「やさしい厨子」は、厳選した無垢のメープル材を、熟練した日本の職人が一つひとつ丁寧に削り出し、自然な丸みとつるつるすべすべとした極上の木肌へと仕上げた逸品です。


その優しい曲線にふれるたび、まるで温かな手のひらがそっと包んでくれるような心地よさを感じることでしょう。指先が滑り、木肌が語りかけるその静かな瞬間、日々の喧騒は遠ざかり、心の内側に穏やかな澄みきった空気が広がります。


大切なものを収め、想いを宿す器として「やさしい厨子」は、撫でるほどに、暮らしの中に優しさとやすらぎを深く根づかせてくれる存在となってくれるでしょう。

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