新しいお仏壇のと古いお仏壇の入れ替え、どんな法要が必要?
古いお仏壇から新しいお仏壇へ。お仏壇を使い始めるときの法要、「魂入れ」
開眼供養(かいげんくよう)(かいがんくよう、読むことも)魂入れ(たましいいれ)、お性根入れ(おしょうねいれ)などと呼ばれています。浄土真宗の場合にはご本尊などに魂を入れるという概念がないため、簡単に表すと新しいご本尊やお仏壇をお迎えした際のお祝いのような意味合いとなります。そのため違った表現で遷仏法要(せんぶつほうよう)、入仏法要(にゅうぶつほうよう)と呼ばれたりします。
本来はその呼び名の通り、お仏壇本体ではなくご本尊やお位牌に対して行う法要だと言われています。木でつくられたご本尊様に仏さまを宿らせる、またお位牌にはご先祖・故人の魂を入れるという意味で行われます。
古いお仏壇の役目を終える時の法要。
新しいお仏壇を迎えるときと同じく、古くなったお仏壇を手放す際にも法要があります。魂抜き(たましいぬき)、閉眼供養(へいがんくよう)お性根抜き(おしょうねぬき)と呼ばれる、お仏壇を処分する際の法要です。ご本尊やお位牌でも同様で、宗教的に特別な意味をもった状態から普通の「品」へ戻るという意味合いをもっています。
日本古来からのモノを大切にする心を意味合いも?
伝統的な大きなお仏壇の場合には、搬入にもまるで引っ越しのように大人数人がかりで設置します。また大きなお仏壇を持つこと自体が一種のステータスだった地域もあったそうで、お披露目もかねて多くの親族を呼んでお祝いするようなイベントでもありました。当然、そのときには地域のお坊さんをお招きしてこうした法要を行って頂くのが自然な流れでした。
ただ現在では住まいの環境はもちろん、ライフスタイル自体もかなり変化しています。情報も増えて価値観もさまざまとなり、個人の自由な選択が尊重される時代となっています。
特にお寺とのお付き合いもなく、小型のお仏壇をマンションなどに置くケースでは、特に法要を行わないという人も増えています。とはいえ、「お仏壇は仏さまとご先祖様の小さなお家。新しいお仏壇をお迎えする法要は、感謝をみんなでお祝いする新築祝のようなものです。」とおっしゃるお坊さんも。
お仏壇に限らず、日頃愛用している品でも同じです。初めと終わりに節目を設けることで、日頃から思いを込めて大切に使う意識がうまれます。役目を終えた品にも自分なりの感謝の気持ちを、宗教観や価値観は違っても、モノを大事にする心が大切なのかもしれません。
Top view 人気の記事