いのりオーケストラdesignと、グッドデザイン賞受賞作品の数々。
いのりオーケストラデザインの位牌や仏壇、そして骨壷などの仏壇仏具は、過去5度のグッドデザイン賞を受賞しています。「いのりのおうち」「A4仏壇」「やさしい位牌」「ミニ骨壷ゆりかご」「森の位牌」と仏壇が2作品、位牌が2作品、そして骨壷が1作品で業界最多の受賞実績となる。
グッドデザイン賞とは、公益財団法人日本デザイン振興会の主催で、毎年デザインが優れた物事に贈られる賞であり、日本で唯一の総合的デザインの評価機構である。
いのりオーケストラの代表作である、「いのりのおうち」
審査委員の評価
仏間はもちろん和室すらなくなっている現代の住居において、故人の御霊をどのように奉るかというのは、新たな課題である。できれば、それがインテリアの新たな魅力ポイントの一つになるとよい。この家具は、単に仏壇をミニチュア化したものではなく、新たな祈りの場のかたちを提案しようとしている。家を暗示させる形や、後ろ面が透けていることにより広がり感を感じさせるなど、新しい提案が見られる。故人が「千の風」となって宿り来たるような爽やかさを感じさせるデザインである。
シンプルな組み合わせながら、100通り以上の置き方が可能なA4仏壇。その名の通りA4サイズであるため、現代における仏壇の置き場の問題を解決するべく家具や建築など幅広いデザイナーにより、デザインチームが組まれ開発された作品。
審査委員の評価
極めてシンプルな矩形で構成されたA4サイズの仏壇である。マンションや賃貸住宅など、仏間を確保しにくい住環境に見合った実用性のあるデザインであり、祈りの空間を構成する器として優れた提案である。シェルフなどにも間違いなく置けるA4というサイズを基準とし、一般的に普及している位牌や仏具がバランス良く収まるだけでなく、5点のシンプルな形状の部材は、飾る場所に合わせて様々な組み合わせをつくることを可能にしている。
位牌のデザインを覆したとも言える歴史的イノベーションデザイン。
審査委員の評価
天然木の表情を活かしてつくることで、一般的な漆塗りの位牌にある重苦しいイメージを取り去っている。サイズも適度に小ぶりであり、この位牌の置き場所の自由度を拡げている。やさしい位牌のような暮らしの中に取り込める形で、故人との距離を身近に感じていたい、古くからのしきたりにこだわることなく、こうした新しいタイプの位牌を求める人には、亡くなった方の戒名をどうするかについて、手配方法を含めて情報のないユーザーも多いだろうから、その点に対してもやさしいシステムが標準化されていると言えるだろう。
赤ちゃんの為につくられた、やさしい骨壷「ゆりかご」ゆらゆらと揺れる姿から「ゆりかご」と名付けられた。
審査委員の評価
信楽焼の職人によって、ろくろで1つ1つ丁寧につくり上げられた白い陶製の壷と、ナラ材、ウォールナット材など天然木の挽きものの蓋とがつくる温かな感じ、そして器自体がゆらゆら揺れる、見ていてゆりかごの中に入っているような揺れそうなイメージをつくることにより、従来の骨壺にはないやさしい印象をつくり出している。幼少期に亡くしてしまった子どもの思い出を遺すものとして、それを身近な空間内、手元に置いておくものとして、こうした手の中にぴったり収まるサイズのやさしさのある小さな骨壺は、ユーザーに求められていたものだろう。本体を無塗装、コーディングしていない仕様に仕上げていることも、経年の変化を形として伝えるためにも効果をなすことだろう。
108種類の天然木でつくられる「森の位牌」位牌は黒塗り。という当たり前だった発想を逆転させた、クリエイティブな作品。各デザインの賞を受賞しており、各方面からの評価も高い作品。
審査委員の評価
位牌の素材に木を採用し、その種類を極めて豊富に展開することによって、今までの画一的で没個性的であった位牌のイメージを一新し、また、選ぶ木の種類によって、故人の個性まで表現できるといった新たな選択肢を提供しているデザインを評価した。造形や仕上げで装飾的な要素を極力廃したシンプルなデザインは、木の素材ならではの柔らかく優しい印象で好感が持てる。サイズ感もコンパクトで、複数の位牌を並べる際の収まりにも配慮されており、現代の日本の居住空間の中でも違和感無く溶け込むことだろう。
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