数え年での年齢、満年齢との違いについて
数え年と満年齢について
通常の「満○歳」という数え方とは違った、「数え年」という年齢の数え方があります。現在でもお位牌やお墓などを作る際に「満年齢」ではなく「数え年」で年齢を記載するというケースがあるようです。
同じ人でも、「満年齢」と「数え年」では年齢の数字が変わってしまう、少し分かりにくい概念ですが、それぞれの定義はとてもシンプルです。
実際にお位牌に記す年齢も、地域や宗派、お寺さんによっても異なるケースがあります。通常は白木のお位牌に記載されたとおりの年齢で、本位牌も作成します。
満年齢の数え方
「満年齢」とは誕生日ごとに歳が増える、一般的な年齢の数え方です。普段の生活のなかでも一般的に使われている「いつもの年齢」なので特に説明は不要かもしれません。様々な書面などでも特に指定がない場合は満年齢を記載するケースがほとんどです。
年齢のはじまりのルールとしては、赤ちゃんが生まれてから1年が経ち、初めての誕生日を迎えると「1歳」となります。以後、誕生日を迎えるごとにプラス1歳となる一般的な年齢の概念です。普段の会話のなかで「来月で満○○歳になる」といった表現もされますが、誕生日を起点として年齢を考える、満年齢の概念そのものとも言えます。
数え年の数え方
満年齢との違うポイントは大まかに2つあります。
まず1つ目のポイントは、「誕生日の概念がない」数え方です。
数え年は誕生日ではなく「1月1日」を起点とする年齢の数え方です。誕生日が何月何日であっても「1月1日」を迎えることで、「皆いっせいに歳をとる」という年齢の数え方になります。
2つ目のポイントは、生まれた瞬間の年齢の数え方も違うことです。
赤ちゃんが「生まれた瞬間に1歳」とするのが数え年の表現となります。そして生まれてから初めて1月1日を迎えたときプラス1歳と考え、赤ちゃんは「2歳」になります。
数え年が使われた理由
『歳の増えるタイミング』と『歳をカウントするスタートのタイミング』、その両方が満年齢とは異なる「数え年」の独特な数え方となります。
現代の一般的な満年齢に慣れていると「分かりにくい数え方だな」だと思ってしまいますが、家族全員、村全員で一斉にカウントできる利便性や、ゼロという概念がない「1」から始まる暦と同じ考え方であるなど、数え年が生まれた理由にも諸説あるようです。
いずれにしても「0月0日」ではとても違和感があります。暦が1月1日からはじまるように、『人も1歳からはじまって、1月1日をもって新しい歳を迎える』と考えるなら、なるほど自然に感じるかもしれません。
また日本古来・仏教の考えともされるのが、命を授かった瞬間から赤ちゃんの年齢を数えるため、十月十日を約一年として「生まれたときは1歳」であるという説明です。
日本においても新年は特別な区切りとされてきました。元日を大切な節目とし、命を尊ぶ想いがこもった日本古来から受け継がれた歳の数え方ともいえるかもしれません。
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